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研究開発情報


ケータイでの拡張かな文字入力

「キーボード&入力インターフェース研究会2002」資料 '02/9/11

1.はじめに

 携帯電話機が電話機能のみならず、メールをはじめとするデータ処理機能に利用範囲が拡大されるにつれて、使いやすく効率的な文字入力の必要性が増大している。
 携帯電話機では、マルチタップ方式のかな文字入力が普及しており、最近ではシングルタップのT9入力のかな文字入力が製品化されつつある。前者の入力方式は1文字あたりの所要打鍵数が多く入力効率が低い。後者は、この点での改善を目指すものであるが、改善の度合いは辞書での的中率に大きく依存し、総合的な改善率は使用者のスキルと使用環境によって大きく異なる。
 ここでは、ほぼ1字あたり2タップで入力でき、従来のキー配置との互換性を尊重して入力効率を改善する携帯電話機での拡張かな文字入力方式(KN式入力と呼ぶ)を提案する。
 本文字入力方式は、単独でも有効であるが5タップ入力方式あるいはT9方式と組み合わせて用いることにより、さらに効果を発揮させることができる。

2.5タップ「あかさたな」入力との共存

 携帯電話機(あるいは電話機系一般)では、5タップ「あかさたな」入力が普遍的であるので、改善された入力方式は1つの端末電話機でこの方式と共存する必要がある。
 このことから、携帯電話機での数字キーと記号キー(*と#)の12キーの配置と刻印は、現在の携帯電話機のものを変更しない。
 この条件のもとで、次のように5タップ「あかさたな」入力の拡張入力を考える。


数字キーを文字入力に使用し、「あかさたなはまやらわ」の刻印をそのままとする。
拡張入力モードとして、ひらかな拡張入力とローマ字拡張入力の2種類を設定する。
「I II III IV V」の5キーをカーソルキーなどと重複して、文字入力の文字指定キーとして使用する。
「I II III IV V」の5キーをかな入力においては、かな50音図の段指定情報として使用する。
「I II III IV V」の5キーをローマ字入力においては、濁音指定と母音文字「IUEO」の4文字に対応させる。

3.拡張かな入力


・キー配置(キー数が24)とキートップの刻印の一例
 
モード ↑ II Menu
←V → III
電話 ↓ IV 電源
クリア メモ マナー I
1あ 2か
ABC
3さ
DEF
4た
GHI
5な
JKL
6は
MNO
7ま
PQRS
8や
TUV
9ら
WXYZ
0わ
図1 キートップの刻印

・カーソルキー切り換え規則

 平かな入力モードの初期状態において、マナーキーとカーソルキーはそれぞれ「I II III IV V」として動作する。
 文字を仮入力した後、Fキーを打鍵すると本来のマナーキーとカーソルキーにもどる。カーソルキーを使用した後、Fキーを打鍵するとひらかな入力モードの初期状態にもどる(仮入力されていた文字列は確定入力される)。すなわち、Fキーが切替キーあるいは確定キーとして動作する。


・拡張かな入力規則
従来の5タップ入力に加えて次の拡張入力がなされる。

「II III IV V」が先頭に入力されると[いうえお]が入力される。
数字キー(あかさたなの入力)に引き続いて、「II III IV V」が打鍵されると入力された「あかさたな」は対応する50音図の段の文字に変換される。「I」が打鍵されると右カーソルキー(→)として動作する。

・ローマ字入力規則
ローマ字入力モードにおいて、つぎの規則でローマ字あるいは英字26文字に拡大されたアルファベットが入力される。

母音の入力: [1][II][III][IV][V]=AIUEO
子音の入力: [2][3][4][5][6][7][8][9][0]=KSTNHMYRW
濁音の入力: [I 2][I 3][I 4][I 6][I 7][I 8][I 9][I 0]=GZDBFJLV(FJLVは拡大されたローマ字)
半濁音の入力: [I 5]=P
撥音の入力: [55]=NN=ん
促音の入力: [22]=KK=っK等
拗音の入力: [281]=KYA=きゃ等
句読点の入力: [I 1][I II]=、。
長音の入力: [I I]=ー
小文字の入力: [I 91]=LA=ぁ等

・英字入力への拡張

[I III][I IV][I V]=QXC

4.T9入力方式の改善


 T9方式では、かな文字入力はシングルタップで行われる。ただし、辞書での検索的中が成功しなかった場合は、入力の修正が行われなければならない。 必要に応じて、「I II III IV V」を選択的に打鍵することにより、仮入力され表示されている「ひらかな」を確定文字とすることにより、辞書による的中率を向上させることができる。あるいは、入力の修正を容易にする工夫も可能となる。

5.KN式入力の利点


現状の携帯電話機の文字入力方式と共存して、2タップかな文字入力あるいはローマ字入力をサポートできる(数字と記号の部分の刻印を変更しない)。
携帯電話機のどの機種でも共通である数字キーとカーソルキーの配置と機能を変えないで、これらを拡張的に文字入力に使用できる。
データキーとして15キーで英字と句読点と長音が入力できる(パソコンでは29キーが必要)。
平均的な日本語の文章入力に必要な打鍵数が「あかさたな」入力方式に比べて、約2/3程度に減少する。
T9入力と組み合わせて使用することにより、シングルタップの短所を補うことができる。

6.おわりに


 最近では、携帯電話機でもT9入力や予測変換による日本語文章入力に対する高度のAI的機能がサポートされるなど文字入力の効率化と容易化の改善が進んでいる。しかし、本提案のような基本となる一字一字の文字入力の改善は、これらのAI的なサポートとは独立的に必要であり、有効である。また、本提案の拡張かな文字入力は、従来の5タップ入力、あるいはT9入力と組み合わせて用いることにより、さらに効果を発揮させることもできる。あるいはまた、本提案のローマ字入力は携帯電話機あるいは電話機系一般で従来の入力方式に加えてサポートされることを可能とする。
 携帯電話機で、操作容易で効率的な文字入力方式が確立し普及するとPDAや電子辞書等のように、携帯電話機と同じく、携帯性が重視される用途への普及が期待される。


参考文献: (1)北村他:携帯電話の文字入力の改善、pp.275-276、情報処理学会第59回全国大会講演論文集(3)(1999)
(2)北村他:携帯電話の文字入力方法の改善、pp.135、日本ソフトウェア科学会研究会シリーズNo.14、インターネットコンファレンスユ99論文集(1999)
(3)北村:ケータイでのローマ字入力、pp.161-164、日本人間工学会シンポジュウム「ケータイ・カーナビの利用性と人間工学」(2002/4/25-26)
関連特許: (1)「文字入力キーボードを備えた電子機器」特許第3222445
(2)「キーボードを用いた文書入力システムと該システムを備えた電子機器」特願2002-210974、2002年7月19日出願


    

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